2022年1月14日発売

本来、広報は経営者の仕事。広報担当は経営者と協働してそれを担うのです。ではどうすればよいのか。そのためにまずは「広報=メディア対応」という固定観念をいったん外すこと。そして経営者に本気で向き合うこと。①経営者に寄り添い、②言葉にならぬ経営者の意思をつかみ、③それを言語化し、④ときには覚悟を引き出し、⑤ストーリーに仕上げ、⑥それを必要な各機能に接続し、⑦アウトプットの全体統制を図るという、7つの手順からなる「経営広報」を実践すべき、というのが私の持論です。

本書籍の4つの特徴

特徴1)昭和から令和までの広報機能の変遷

35年間、広報の最前線で3つの時代を駆け抜けた著者だから書ける、時代を彩る広報機能の変遷と、そこから見出した〝ドーナツ化現象〟という問題意識を提起。

特徴2)経営者とのリアルなせめぎあい

著者が広報責任者を務めてきたリクルートコスモス(現 コスモスイニシア)、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、ゴルフダイジェスト・オンライン、ベルシステム24、ADワークスグループ(現職)、それぞれの個性的な経営者とのリアルなせめぎあいが満載。

特徴3)7つの手順と35のベスト・プラクティス

著者独自の広報論を「経営広報」として展開するにあたり、上記「7つの手順」ごとに各5つ、計35の実践的な秘訣を「ベスト・プラクティス」として披露。他に類を見ない実践的かつ体系的な指針。

特徴4)中島茂弁護士との対談

中島経営法律事務所代表の中島茂弁護士との対談を掲載、「経営広報」という考え方の強力なバックボーンとして、高次元の経営論・広報論を展開。

判型四六判・並製
ページ数256ページ
定価1,980円(10%税込)
発行日2022年1月14日
発行日本経済新聞出版
目次
第1章 昭和・平成・令和、変遷する広報の実像 ――ドーナツ化現象は何を置き去りにしてきたか!?
1. 80年代後半~90年代初頭の広報:さあ、企業文化!社会貢献!

2. 90年代後半の広報:広報とIRの真空地帯

3. 2000年代の広報 ①:疾風怒濤のインターネット革命

4. 2000年代の広報 ②:企業ブランドって何だろう?

5. 2010年代~20年代初頭の広報:危機は「管理」できるのか!?

コラム:駆け出し広報マンとして経験したリクルート事件

第2章 見失われた広報の本当の役割 ――このままの広報では時代に取り残される!
1. 「金をかけない宣伝」が仕事、は昭和の発想:再言語化、再々言語化までコミットできるのか!? 広報の腕の見せ所

2. 広報を単なる企業PRと考えていていいのか!?:先を見据える経営者は1日2.7件のメディア露出にも首肯しない

3. 社内情報に基づかない広報の無理:向き合う相手としての社内

4. Whyを問わなければ説明責任は果たせない:向き合うべき相手としてのステークホルダー

5. 共感をつくるのは広報ではなく「事業」である:最も大切な向き合うべき相手としての社会

コラム:経営者たちの広報の視点

第3章 広報が一歩、踏み込むとき ――経営者と身近に接することで探し当てた経営広報の機能
1. 経営者の想いや覚悟と正対する:その深海に潜り込んだ瞬間、すべてがつながった

2. メディアとのリレーションに依存しない:磁力を持つコンテンツ創造にこそ心血を注ぐ

3. ここぞ!のときは全方位にセンサーを立てる:4度の上場に立ち会い、私が見たもの

4. 現場に広報マインドを求めない:広報マインドを担保する装置を普及させるという発想

5. 経営計画に関与し、未来を発信する:ここまでやる!?意思決定を演出するストーリーづくり

コラム:「もう一人の社長」

第4章 企業価値を高める経営広報の姿 ――この考え方・やり方で経営者の想いと覚悟を引き出す
1. 経営広報7つの手順と35のベスト・プラクティス

 手順1 経営者に寄り添う
 手順2 経営者の意思をつかむ
 手順3 言語化する
 手順4 経営者の覚悟を引き出す
 手順5 首尾一貫したストーリーに仕上げる
 手順6 必要な各機能に接続する
 手順7 アウトプットの全体統制を図る

2. 経営広報の輪郭

 (1) 広報は間違いなく経営者の仕事である
 (2) 企業広報から経営広報へ
 (3) How ToではなくWhyが基軸
 (4) 自社の物語をつくり、語る
 (5) 経営広報が会社の成長を加速する

対談 経営者の一挙手一投足が、すなわち広報である ――中島茂・中島経営法律事務所代表